んまー、正直言って大将だから説得力があるといいましょうか、現役選手には書けないし、実績の無かった選手にも書けない本でしょうか。得点王の経験があり、S級ライセンスを取った大将だからこその一冊。読み手がこの本に何を期待していたかによるかとも思いますが、厳しく言えば一般論の域をちょっと越えた感じ。もっともっと「大将節」を効かせた方が面白かったかな?
などと、偉そうなことを以前にこのブログで書きましたが、読んだ後に自分のゲームの見方が変わっているのに、じわりじわり気づいたわけです。
どんなゲームを見ても、福田大将の著書の内容が頭をよぎる訳です。
プロのゲームはもちろんの事、埼スタで見るボーイズマッチでも自然とFWの子や、背の大きい子がどのポジションにいて、どんな動きをしているかをいつの間にか目で追っている自分に気づくわけです。
点をとるための質の高い動きはどうすればいいか?FWがゴール前でどんな選択肢を選んでいるか?結果で評価されるとはどういうことか?選手の試合後のコメントも然り。
こういったらなんですが、読んでみて損の無い一冊ではないかと、しばらくたってから痛感。ロジカルな考え方を素早く習得できてるあたりは、「大将って、実は頭がいんじゃない?」と思ってしまったり・・・(上から目線で失礼)
そして、以前に生で見たバティストゥータの事を思い出しました。
誰でもしっている、伝説のストライカーですが私が見たのはフィオレンティーナ時代の全盛期のこと。その頃も「ポストプレーだけで1億もらえるな」とか思ってましたが、グンと加速する一瞬のスピードや、当たりの強さ、シュートの技術などストライカーに必要な技術は全て備えていました。
その中でも、ゴール前での動きの質は素晴らしいものがありました。楔のボールを受けてから捌いて、いいポジションに入るまでに一旦消えるというか「そっち?」という方向に体を向けるんです。そして、気が付くと絶好の場所にスタンバイしてボールを受けてシュート。
どんなにDFを背負っていても、そのシュートが必ず、枠に行く。しかも強いボールで。
でも、試合中に走り回っている訳でもありません。必要なときに必要なだけ走っている。そんな感じ。時代も流れて、FWにも守備への切り替えが必要な時代になっているので単純比較はできませんが、それでも必ず点を獲ってくれる選手であれば監督も使い続けるでしょう。
点をとる為に、点をとる為の動きをする。そんな当たり前のことをしていたなと。
では、日本人のストライカーと何が違うんでしょうか?
続きは、福田正博著「決定力」で、と言いたいところですが、ひとつワシントンを例にとって少し書いてみようと思います。
ワシントンのゴールのパターンの1つにPA付近でボールを貰って、長いリーチを活かして相手DFの動きを封じ込めて、自分のシュートが打てる空間を確保して空いたコースに打ち込むというのがあります。
動きを細かく分ければ、
①DFを背負ってでもボールを受ける
②そのまま強引に振り向く
③多少のドリブルでシュートコースを空ける
④DFにボールを触れさせない状態に持っていく
⑤コースを狙ってシュート
体の強さと、リーチの長さ、そしてシュートまで持ち込む技術と、冷静にプレーする精神力と様々な要素が必要とされます。では、体格的に劣る日本人に海外の屈強なDFを相手にして同じ事ができるでしょうか?(特にJリーグでも、DFを背負ってでも仕事ができる選手なんかは中々いないように思えます。一番の仕事場なのに。)
答えは、可能ではあるが、今それだけの事をこなせる日本人は少ない(いない)んじゃないかと。
ワシントンとまったく同じ事はできなくとも、体格のハンデを克服した「別の要素」で対応することは可能だと思います。それが、敏捷性であったり、技術であったり・・・
見当違いかもしてませんが、よく思うのは都筑みたいな選手が小さいころからずっとFWをやっていたらと思ってしまいます。身長的に少し低いですが、山田なんかもプロでFWでやれていたらなとも思います。
日本ではFWは「足の速い子」「ボールの扱いが上手い子」がやっていることが多いと思います。普段目にするのは大体そう。もしも、一貫して「背の高くて体の強い子」をFWとして育成することができたら・・・ 違うかもしれません。
決して、ワシントンのようなタイプのFWが絶対的に良いと言うわけではありませんが(スピードで勝負するタイプや技術で勝負するのも勿論ですが)世界的に見て、優秀なストライカーの多くは、身長を180㎝を超えて、強さ・速さなどの身体能力を備えた選手が多いのは事実。そこにセットのように、クイックネスで勝負するタイプの選手はいると思いますが・・・
しかし、もともと身体能力で劣る日本人で体の強さを利して戦う選手は滅多にいない。それが、中盤やDFではいたりします。
日本では通用するが、海外で点が取れなかったり、プロで通用しなかったり。わざわざ名前を上げるまでもないと思いますが、日本人で強豪国と試合をして点を獲って来たのは、どんな選手か整理すれば自然とどんな選手であったかは明確になると思います。(海外・日本を問わず、強烈なスピードを持っている選手は別として)
特にゴール前での得点となれば・・・ さらに、その差は顕著になるかと思います。
ただ、達也のように一瞬のスピードを活かしながらも、シュートの体制に入るときはしっかりと体を当てて、自分がシュートを打つ小さなゾーンを作っているのは凄いと思います。(その後ふっ飛ばされていますが・・・)そういうことの出来ない選手は、良いとこまで運んでも点が取れなかったり、パスを選択してしまうんでしょうね。ただ、背負ったまま、長くボールをキープできるかとか、振り向いて運ぶとなると難しいでしょう。逆に、体の大きな選手には難しい動きかもしれませんが。
話が、まとまりつかなくなってくるのでこの辺にさせて頂きますが、もちろん、点をとるための要素は、もっともっと多岐に渡ります。
何言ってんだと思われる方も、いらっしゃると思いますが、まだ読まれてない方は一度、福田大将の本を読んでみると面白いですよ。